日本初のプロ・ゲーマーであり、現在も最前線で活躍する”ウメハラ”こと梅原大吾氏の3作目の著作になります。前2作はゲームを全く知らない人でも理解・共感できるようなゲームを通じて得た経験や考え方について書かれていましたが、今回はプロ・ゲーマーとしての本業であるゲーム大会での精神状態や、大会に関する考え方、プロとしての考え方等が書かれています。
ウメハラ式モチベーション維持
タイトルこそ違えど、「格闘ゲーム」というジャンルに関して20年以上プレイしてきた著者のモチベーション維持方法が非常に興味深いものでした。
義務感でやらない。
物事において義務感が先行すると、発生した義務感によって向上心を維持することが難しくなります。これは義務感によって「やらなければいけない」という気持ちが向上心を上回るため、こなすことが目的になり、向上することが目的ではなくなってしまい、次第にいやになってしまいます。
成長していることを実感する。
義務感でゲームをやりそうになっていた時に彼が行ったことは、成長を記録するということでした。自分が成長しているということがゲームをプレイするモチベーションにつながり、高いモチベーションで大会に挑めれば結果として現れてくるので、さらに成長を実感できる。というように、ゲームをプレイしていることがマンネリにならないよう常に変化(自分にいい方へ)させることによってモチベーションを維持します。
自分が評価してあげることが大切。
「大会で優勝した」等の外部要因によってモチベーションを維持しようとすると、目に見える要因でないと外部からは評価されにくく、それが正しく評価されているかどうかもわかりません。また、評価するペースやタイミングも外部に依存することになり、自分では決められないことになります。そのため、自分のタイミングで自分の成長を評価する必要があります。
普段の生活でも応用可能
今回は実際に参加した試合について語るということもあり、ややゲームよりな内容なのかと思われましたが、普通に会社勤めをしているような人でも応用できそうな要素が数多く含まれている良書でした。著者は他にも本を出しているのでチェックしてみようと思います。