【散歩シミュレーター】theHunter Call of the Wild レビュー


「theHunter: Call of the Wild」は、ストックホルムにあるExpansive Worldsが開発したスポーツハンティングシミュレーターです。プレイヤーはオープンワールド上に作られた狩猟保護区に生息する野生動物を、ライフルや弓を使用して狩猟します。ちなみに、前作にあたる「theHunter」プレイヤーには条件付きで特典が与えられましたが、その後発売されたスピンオフ作品である「theHunter: Primal」購入者に対する特典はありませんでした。ちょっと納得いきません。

 

ゲームのながれ

ゲームはシングルプレイとマルチプレイが存在します。最初はゲームに慣れるためにシングルプレイを選択すると良いでしょう。初回プレイでは自身の分身となるキャラクターを作成します。どのようなキャラクターにしてもステータス等に変化はないので、好みで選んでも大丈夫です。その後狩りをおこなうフィールドを選択します。現在選択できるフィールドは2種類あり、初心者には「Hirschfelden Hunting Reserve」がおすすめされていますが、森が多く、畑や草原などの開けた場所にはまず獲物がいないので、個人的には「Layton Lake District」のほうがやりやすいのではないかと思います。こちらは山の斜面や池の周りに開けた場所が多く、水を飲みに来た動物を狩ったり、周辺に動物の休憩場所があるため動物に遭遇しやすいです。

どちらのフィールドを選んでも、序盤はナビゲーターがチュートリアルに該当するクエストを依頼してきます。いずれも追跡~狩猟の流れと、物見やぐら、アウトポストを発見するというものです、クエストを進めなくてもゲームの進行には影響しませんが、アウトポスト発見までやっておくとゲームの流れを理解することができるようになっています。

 

ハンドガンで狩猟可能。

狩猟に使用できる武器は、ライフル、ハンドガン、ショットガン、弓の4種類が存在します。また、それぞれに幾つか性能の違うものが用意されています。各武器は対象の武器で動物を狩猟することによって獲得するポイントを貯めることによりアンロックされ、狩猟時に取得するゲーム内通貨にて購入します。武器はアウトポストにあるロッカーで購入でき、自分の荷物を入れておく倉庫も同様に提供されています。倉庫はどのアウトポストからも共通です。各武器はそれぞれに応じた弾丸(矢)を購入する必要があります。弾丸にはクラスが設定されており、本来はクラスに合致した動物でないと得点の対象とならないのですが、現時点ではお構いなしに大口径銃で小動物を射撃できます。弾丸もアウトポストで購入できます。

肝心の狩猟ですが、本作は凶暴なモンスターや悪の組織と闘うわけではなく、相手は野生動物です。彼らは警戒心が強く、人間の足跡を聞いただけですぐに逃げていってしまうので、ドタバタ走り回って動物を探し回っても動物の気配すらないまま時間だけが過ぎていく状態になってしまいます。その為、動物に気配を悟られないよう静かに行動することが求められます。動物の痕跡を見つけ出し、静かに動物を追跡し、射撃できる範囲まで気づかれないように移動して射撃する技術が求められます。これらは、一般的なFPSとはまったく異なるものです。

 

熊は警戒心が強く、急いで追いかけると逃げられる。

というわけでいい感じに射撃ポジションへ移動したら、できるだけ低い姿勢で狙いましょう。立って撃つことも可能ですが、動物に気づかれやすく、銃の手ブレも大きいので狙いにくいです。最もブレが少ないのは伏せた状態ですが、姿勢が低い分雑草などで視界を防がれる事が多いので、目標より高い位置や、岩場等遮蔽物の少ないポイントを選ぶことも大切です。ちなみに弓は伏せた状態で撃てないので、しゃがんだ状態で撃つ形になります。また、本作は風向きの概念があります。自分が動物の風上に立っていた場合、匂いで感づかれる可能性が高まるため、できるだけ動物の風下から近づく必要があります。現在の風向きは画面上から確認できるので、動物に近づく際に参考にしてみてください。

 

スキル、PERK

追跡に必須のスキルから、「こんなのいるか?」というものまで。

動物を狩り続けるとレベルが上がり、レベルが上がるとスキルやPERKにポイントを割り振ることができるようになります。スキルは2種類のツリーが用意されています。STALKERツリーでは、足跡から動物が向かった方向の範囲を狭くしたり、木の枝と服が擦れた際に発生する音を軽減するなど、動物の追跡時に役立つスキルが揃っています。一方AMBUSHERツリーでは、動物のスポット時間増加や、所持できる重量の増加等、ちょっと便利なスキルがそろっています。PERKは装備種毎に用意されていますが、全装備に対して有効になるものもあるので、まずは自分がよく使う装備のPERKを開放しつつ、全装備に対して有効なものでこれはというものをアンロックするとよいでしょう。

 

「射撃以外の時間」を楽しめるかどうか

本作は狩猟ゲームではあるものの、ゲーム内において実際に射撃をする割合は10%に満たないでしょう。残りの90%は動物の痕跡を追いかけたり、動物が近づいてくるのを待ったり、未到達のアウトポストまで徒歩で移動するなどの、FPSとは思えない退屈な時間が流れていきます。しかしながら、前作とは異なるオープンワールドエンジンにて作り直された世界は非常に美しく、風の音や光の具合がリアルに再現されています。そんなオープンワールドにて鳥の鳴き声を楽しみ、森に入って癒され、見たことのない建造物を発見し、たまに動物を射撃して、1発で仕留められなかったのでまた自然の中を追跡する。そんな体験をしてみたい方にはお勧めできるゲームです。

 


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